ご挨拶
初めまして、56と申します。
友人からのリクエストを頂き自身がプレイしたゲームのレビューを記事にしていきたいと思います。今後の活動を更新をするかどうかは不明ですがどうかよろしくお願いします
今回、レビューするのは「ペルソナ3リロード」になります。新生ペルソナの原点でありATLUSのターニングポイントにもなったペルソナ3から18年の時を経てリメイクされた作品になります。
発売からわすが1週間弱でATLUS史上最速の世界累計100万本の売上に到達し現在のペルソナ人気を見せつける形となりました。
そんな今作を約100時間プレーした体験を元にレビューして参りたいと思います。
それでは始めたいと思います。
シリーズ紹介
まず、ペルソナシリーズとは株式会社ATLUSが手がける大人気RPGゲームとなります。
現在は国内外問わず、大人気のJRPGへと地位を確立している作品ですが、元々はコアなゲームファンに支持されてる作品でした。
第一作品となる「女神異聞録 ペルソナ」が1996年にPS向けへリリース。名前に女神があるように同社で発売されている真・女神転生の派生作品として発売され、シリーズお馴染みのオカルトチックな作風はそのままに現代の日本へと舞台背景を置き換え、等身大の少年少女達が織り成す物語が描かれています。作品ごとによってテーマや重点するポイントは違えど、分析心理学に依拠するペルソナ=内なる自分をベースとし、登場するキャラクターが己自身を向き合い成長していく現代的なJRPGとして人気を博してきました。
このように少々難解な題材を扱いながらも発売からコアな層へと支持をされましたが、2006年に発売された「ペルソナ3」では従来の世界観はそのままに、スタイリッシュなビジュアルやゲームデザインの改革をしたことでより幅広いユーザー層へ人気を拡大していき、特に2016年に発売されたペルソナ5では多くのメディアミックスを成功させ、関連作品も含めると世界累計1000万本の売り上げる大人気IPへと確立しました。
そんな中で今回、レビューするのは2024年2月2日発売された「ペルソナ3リロード」は原作ペルソナ3のフルリメイク作品となります。
「ペルソナ5・ザ・ロイヤル以上のグラフィックと快適さで遊べるペルソナ3を懐かしさを感じつつも新しいと感じてもらえる様に遊んで欲しい」というコンセンプトを持って制作に取り組んだと開発者インタビューでは発しており、シナリオやキャラクター設定は原作を準拠しておりますが、これまで培ったゲームシステムやグラフィック、キャラクターデザインを一新しペルソナ5から始めた新規ユーザーや当時を遊んでいたユーザーにもリメイク作品としてユーザーの期待に応えれる作品に仕上がっています。
本作のあらすじ
10年前にとある事故で両親を亡くし、家庭の都合により月光館学園へ編入することになった主人公。
編入して間もなく、1日と1日の狭間に現れる「影時間」に住まう怪物、「シャドウ」に襲われるが主人公に秘められていたもう1人の自分[ペルソナ]が覚醒し撃破します。この事がきっかけに特別課外活動部[S.E.E.S]に主人公は入部し昼は学生として、夜は仲間と共に巨大の塔タルタロスの攻略や満月に現れる巨大シャドウを退治していき、シャドウや影時間そしてタルタロスらの謎の解明、そして主人公に待ち受ける避けられない運命へと対面していきます。
没入感が高まるゲームサイクル
先程紹介した通り、今作では高校2年生として編入した主人公は昼間は月光館学園の生徒として青春を謳歌し、夜は特別課外活動部の一員として影時間に現れるシャドウの討伐、また巨大な塔タルタロスを攻略することで1日が終わりこれを約1年間のスケジュールでこなしていきます。基本的に平日は放課後と夜、土日祝は昼と夜との毎日2回の自由行動が可能となります。
授業が終わった放課後には、学園内の陸上部に所属し部員と共に一緒に汗を流したり、休日の昼間には街にある古本屋の店主と仲良くなったりと数多くのキャラクターとの交流を図ることが出来ます。これらの活動により「コミュニティ活動」としてキャラクターとのドラマパートが進展したり、主人公の「勇気」、「魅力」、「学力」といった人間パラメーターにも影響します。コミュニティ活動ではタルタロスの攻略やシャドウの討伐に必要とするペルソナの強さに反映し、パラメーターではゲーム内での選択肢や新たなコミュニティ活動の拡張にも必要となります。
例えると、まずは「魅力」を磨きたい時に喫茶店へ向かいます。そうした事で魅力パラメーターが高まり新たな出会いに発展し、コミュニティ活動が広まります。そして、主人公のコミュニティが高まる事によりペルソナの能力強化へと繋がると言ったように、日常パートでの活動内容が非日常パートになるタルタロスの攻略やシャドウ討伐へと還元していきます。
作品内のメインとなるダンジョン攻略をするだけのゲーム性だけではなく、今日はどんな事をしようか、誰とのコミュニティを深めようか、どのパラメーターを上げようかと毎日の中でこれらの要素が密接に繋がり没入感を高めています。
より洗礼されたバトルシステム
続いては日常パートと同じくゲームの根幹とも言えるバトルシステムについてレビューしたいと思います。
本作のバトルシステムは味方と敵が行動順に沿って戦闘を行うコマンドバトルをベースにしつつ、弱点を突いた敵をダウンさせて再度行動ができる1MOREシステム、敵を全員ダウンさせると発動する総攻撃といった、シリーズ従来のシステムはそのままにシフト(ペルソナ5、5Rだとバトンタッチ)、アシスト機能、ダイレクトコマンドなどとペルソナ5から導入された機能が多く採用されています。特にシフトは原作には無かったシステムで、相手の弱点を突いた後、1MOREの行動権を相手にパスするというシステムです。長丁場になるダンジョン攻略やスキルポイント消費の分散になるなど戦略的な要素となっています。
更にリロードでは「テウルギア」という新機能が追加されており、バトル中に各キャラクター事に指定されている行動を取り続けるとゲージが溜まり、最大値になるとキャラクター固有の必殺技を繰り出せます。特に仲間キャラクター達のコミュニティで解放されるテウルギアは非常に強力で、戦況を一気に覆せる程です。ですが、あまりにも強力で万能過ぎるが故にボス戦では難易度を低下させてる一面もありますが、多くのユーザーに親しみやすいシステムとなっています。
原作を尊重するが故の懸念点
ダンジョン攻略
ここまでの紹介で原作の魅力と以前には無かった数々のシステムの追加により原作よりも改良された事で、満足感のある作品になっております。ですが、原作を尊重してるが故に足枷になってしまっている物もあります。
その代表例が、先程から名前を出しているタルタロス、ダンジョン攻略です。タルタロスは影時間やシャドウの謎を解く為に、何度も訪れる階級型ダンジョンで、1日毎に自動的に地形が変わるという特徴があります。ゲーム序盤から無尽蔵に踏破が出来るのではなく約30階前後の上限が決まっており、満月に現れる大型シャドウを倒すと次のフロアが解放されるという巡回になっております。
ですので、次の満月から逆算しつつダンジョンではフロアの行き止まりまでを踏破しながらも日常パートやコミュニティ活動、パラメーター強化を行い、最後には大型シャドウを倒すというゲーム進行になっております。
勿論、ダンジョンでは潜る度に1から踏破ではなく中間地点の用意はされていますし原作には無かったモナドの扉や巨大レアシャドウの遭遇などハクスラ要素もあり、ある程度の面白さは伺えます。しかし、ペルソナ5の様なギミックが豊富で満足感があるダンジョンやペルソナ4の様なテーマ性のある期間限定型のダンジョン形成とペルソナ3から進化、発展したダンジョン構成と比べ、今作リロードは原作からの変更点は無く、同じ構図や景色が続くダンジョンをひたすら登り続けることになりますのでダンジョン攻略に対して反復感が強くなり、毎月事に約30階を踏破するというルーティン感に強いられます。原作ペルソナ3は後続作品のペルソナ4、5と比較するとダンジョン攻略でのゲームプレイに対してまだ試験的な側面もあった作品だと感じられます。
あくまでも今作リロードは発売当時のタルタロスでのプレイは抜本的な変更はされていない為、今のゲーマー視点になると単調な構造による反復感のある進行に対してネガティブな印象を感じられるかと思われます。
コミュニティ活動
コミュニティ活動も原作ペルソナ3から導入されたシステムです。今作では原作には無かった伊織、真田、コロマル、天田そして荒垣の主要男性キャラクターの交流を深められるリンクエピソード、寮のメンバーとの料理、菜園、映像鑑賞などで時間を過ごすイベントや各キャラクター事のフルボイス導入と嬉しい要素はありますが、先程ご紹介した通りにコミュニティ活動でのストーリー展開に大きな変更もありません。その為、ペルソナ5にあったコミュニティ活動をすることでのペルソナの能力強化プラスアルファでのダンジョン攻略による味方へのバフ効果が発動するアビリティなどの特典はなく、近年ペルソナシリーズを遊んでいるユーザーの視点では物足りなさを感じるかと思われます。
この様に今作の新しい追加要素は中盤以降に解放されていくので、序盤から中盤にかけてはルーティン感や反復感のある進行は変わりはありません。
後半の展開やコミュニティの豊富さは4.5の中でも突出しておりますが、ゲーム全体としての流れを見た時にはスローテンポ感は否めないと思われます。
ここからはストーリーのネタバレもあります。ご拝読する際にはご注意ください。
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時が経っても変わらないシナリオ
ここまでお話したとおりに、少々の難点はありつつも非常に丁寧なリメイク作品として仕上がっております。何度も記載がされておりますがストーリーラインに大幅な変更はないのででは、今プレイしても興味深い内容なのか?と疑問に感じるかと思われます。
確かに、ペルソナ5のように現代社会の批評的な側面は控えめで、善悪を強調させてた痛快なストーリーとは真反対になっているので物足りなさを感じるプレイヤーも居るかもしれません。
ですがペルソナ3が焦点を当ててるのは、社会的なテーマも孕みつつも個の普遍的な出来事に対してフォーカスを当てています。
物語は序盤から中盤まで仲間が増えていき、特別課外活動も活発化していきますがとあるキャラクターの突然の別れが起き、主要メンバー達は路頭に迷い始めます。しかし、各キャラクター事の別れに対して向き合い、新たな決意を固め再び部隊の活動は再開されていきます。
最終盤には主人公が住む世界に影時間が侵食し全生物の生が停止する避けられない「運命の日」に対峙していきます。見事、主人公は元凶を退治し運命の日を回避することに成功しましたが、敵の封印と引き換えに主人公は避けられない「死」を受け入れることで物語の終焉を迎えます。
この様に今作は「時」、「死」、「出会いと別れ」と今、私たちが生きている世界での普遍的な出来事が作品内のテーマとなります。ゲームでは、プレイヤーが主人公やキャラクター達に感情移入出来る仕掛けがいくつも用意されてますし、ストーリーラインだけではなく日常パートのコミュニティ活動にもこのような要素はドラマ内で織り込まれております。ゲーム冒頭「時は待たない 全てを 等しく 終わりへと 運んでいく」という提示に対して、限りある毎日に前を向き、自分と向き合いながらも生きていくという答えが主人公を通じて帰結していきます。
確かに、ペルソナ5では社会に焦点を当てたことにより現実感覚を強く持てますが、個人にフォーカスしている本作の物語は決して古臭くなく、強度を持ち続けていると思われます。
実はこのストーリーの続きが展開されており、原作リリース後に発売されたペルソナ3fesにて、主人公の死の真相や新規キャラ、その後のシナリオ展開されるepisodeアイギスがあります。残念ながらこの作品はPS2のみの作品なので直ぐに、プレイすることは難しいと思われますが現在はYouTubeにてストーリー動画などアップされておりますので気になった方は是非チェックしてみてください。
個人的には願わくば、DLCの追加配信を望でいるので気長に待っています。
最後に
いかがでしょうか?
ゲーム全体のルーティン感や、少しの退屈さなどオリジナル版が持っていた課題について、ある程度の残されているのはポイントが、ユーザーにとって気になると思われます。
ですが、レビューでも見てきた通りに本作の持つ独自性やテーマは18年の時が経っても色褪せておらず、今プレイする作品としても高い強度を持っており、進化したグラフィックやバトルの刷新によってシリーズ内でも最新作にして最高峰の作品となっております。
以上がレビューとなります。ご拝読ありがとうございました。次回もお楽しみに。